数字で見る「看護師の安定」

指標 看護師 比べる数字 読み取れること
有効求人倍率(令和7年度・全国) 2.38倍 一般事務 0.29倍 求職者1人に対して求人が2件以上ある
平均年収(job tag) 524.7万円(平均42.1歳) 一般事務 541.4万円(平均44.6歳) 年齢差・職業分類の違いがあり単純比較はできない
正規雇用看護職員の離職率(2024年度) 11.0% 新卒8.4%、既卒採用16.1% 10人に1人程度が1年で職場を離れている

※統計ごとに対象・年度が異なります。

求人の多さでは、かなり強い

厚生労働省のjob tagでは、看護師に対応するハローワーク求人統計の有効求人倍率は令和7年度全国で2.38倍です。一般事務の同じ統計では0.29倍でした。

統計上の職業分類には注意が必要ですが、「求職者に対して求人が多い」という意味では、看護職の需要の強さがはっきり見えます。

「辞める人が多い」は不安定のサイン?

日本看護協会の「2025年 病院看護実態調査」では、2024年度の正規雇用看護職員の離職率は11.0%でした。

一見すると「辞める人が多い=不安定」と感じるかもしれません。でも、ここには2つの面があります。

  • 辞める人が一定数いるから、求人が出続ける
  • 辞めても次が見つかりやすいから、職場を変えることへのハードルが低い

つまり看護師の安定は、「辞めない安定」より「辞めても困りにくい安定」に近いと言えます。

一方、既卒で採用された人の離職率は16.1%と高めです。転職先が合わず、短期間で再び職場を変えるケースもあることは知っておきたい数字です。

年収は本当に高い?

job tagでは、看護師の全国の賃金(年収)は524.7万円、平均年齢42.1歳です。

ただし看護師の給与には、夜勤手当などが含まれる場合があります。日本看護協会の調査では、夜勤をしている正規雇用の病院勤務者の夜勤手当は月平均4万3,806円でした。年間にすると50万円前後です。

つまり、夜も働くことで得ている年収という面もあります。夜勤をやめると、同じ職場でも年収が下がる可能性があります。平均年収の読み方は看護師の給料は高い?低い?で詳しく扱っています。

将来も需要は続く?

厚生労働省の看護職員の需給推計(2019年公表)では、2025年の需要が供給を上回る見通しが示されていました。高齢化で訪問看護や介護施設の需要が増える一方、地域によっては病床の再編も進んでいます。

そのため、

  • 全体としての需要:当面は続くと見られている
  • 働く場所の中身:病棟中心から、在宅・介護・外来へ比重が移る可能性がある
  • 地域差:都市部と地方、地域ごとの病床数で求人の状況は変わる

と分けて考えるのが現実的です。「どこでも同じ条件で働ける」わけではありません。

「安定」の中身を4つに分けて考える

安定の種類 強いところ 弱くなりやすいケース
1. 雇用の安定 求人が多く、資格を使える職場が多様 希望の地域・勤務形態・診療科が限られると選択肢が減る
2. 収入の安定 資格職として一定水準を期待しやすい 夜勤・残業の比重が大きいと、働き方を変えたときに下がる
3. 体力の安定 日勤のみ・外来・訪問など負担の違う働き方がある 夜勤や重労働を前提にした働き方を長く続ける場合
4. キャリアの安定 病棟・外来・訪問・介護・企業・美容など移れる先が多い 同じ職場・同じ領域だけの経験だと、移れる先が狭まる

安定が弱くなりやすいケース

同じ看護師でも、次のような状況では「安定」を感じにくくなります。

  • 年収の多くを夜勤手当に頼っている:体調や家庭の事情で夜勤ができなくなると収入が下がる
  • 住む地域を変えられない:地方の特定地域では、希望する施設形態の求人が少ないことがある
  • ブランクが長い:医療の変化や機器の更新に不安を感じやすい。ただし、都道府県ナースセンターなどの復職支援研修もある
  • 非常勤・パート中心:時給は高めでも、賞与・退職金・社会保険の扱いが常勤と異なる

本当の強みは「辞めても看護師でいられる」こと

安定職というと、「一つの職場に40年いる」イメージがあります。でも看護師の安定は少し違います。

病院Aを辞めても病院Bへ行く。病棟を辞めてクリニックへ行く。夜勤を辞めて日勤中心へ変える。

こうした資格を持ったまま働き方を変えられることも安定性です。看護師免許には更新制度がなく、一度離れても資格を失いません。

安定を自分で強くするには

資格の強みをさらに生かすために、できることもあります。

  • 経験の幅:急性期・慢性期・在宅など、移りたい先で評価される経験を意識して積む
  • 夜勤に頼らない収入の土台:基本給・資格手当など、働き方を変えても残る収入を確認する
  • 生活防衛資金:辞めたいときに、お金を理由に我慢しなくていい貯金を持つ
  • 情報:自分の地域の求人状況を、転職するかどうかに関係なく時々見ておく

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Nurse Life+の結論

看護師は、

同じ職場・同じ働き方を続けるから安定している職業

というより、

働き方を変えても資格を使いやすいから安定しやすい職業

と考える方が現実に近いでしょう。

「安定しているから我慢して今の職場に残る」必要はありません。選択肢を持っていること自体が、看護師という資格の大きな強みです。